雑誌『をちこち(遠近)』
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2016年6月のバックナンバー

2016.6. 1

「違うこと」から生まれるコミュニケーションのかたち

今年3月、国際交流基金の主催で、「科学と文化が消す現実、つくる現実―フィクション、制度、技術、身体の21世紀―」が行われました。これは、ヴァーチャルリアリティ(VR)や人工知能(AI)などの先端技術の研究・普及によって変わりつつある〈現実〉の見え方を、5つの視察・ワークショップ・講義から考えるというものです。「ミッション・プロジェクト」という当基金内の公募企画で、日本に留学中の外国人大学院生・研究者が参加しました。その4回目の講義に登壇したのが伊藤亜紗さんです。東京工業大学リベラルアーツセンター准教授の伊藤さんは、近著『目の見えない人は世界をどう見ているのか』や、ワークショップ「視覚のない国をデザインしよう」での取り組みを通じて、目の見えない人や耳の聞こえない人がどんな身体感覚を持ち、どのように世界を把握し関係を結んでいるのかを研究しています。伊藤さんが研究の過程で触れた様々な事例を挙げ、視覚や知覚についての講義が行われました。時に参加者との対話も交えつつ、やがて浮かび上がってきたのは、障害を持つ人、持たない人のあいだの差異だけではなく、誰もが持っている先入観や価値観の多様性、イメージのバリエーションの豊かさでした。

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