2017年6月のバックナンバー

2017.6.15

地球市民が育む地域と世界の絆   菅野 幸子
~地球市民賞事業を担当して~

「国際交流基金地球市民賞」(以下、「地球市民賞」)は、1985年、「国際交流基金地域交流振興賞」(以下、「振興賞」)として創設されました。国際交流基金(以下、「基金」)が設立されたのは、1972年。当時、日本の経済は成長の一途で、「国際」「文化」「地方」が時代のキーワードとなっていました。1980年代に入ると、地方自治体では文化行政の振興に取り組むようになり、各地に市民会館、美術館、博物館などの多様な文化施設が建設され、海外からアーティストが招かれ国際的な文化事業が行われるようになり、国際文化交流が各地に根付くようになったのです。1987年には「地方公共団体における国際交流のあり方に関する指針」が通達され、全国各地に国際交流協会が設立され、地域における国際化がさらに進行しました。ところが、担当者の多くは海外の文化事情に関する知識・情報や人脈を持たず、ノウハウもわからないので、基金に多くの照会や相談が寄せられるようになっていたのです。このような背景から、基金では国内各地でさまざまな国際文化交流事業を行っている団体を応援しようということで「振興賞」が立ち上げられたのです。