2018年4月のバックナンバー

2018.4.10

ジャポニスム2018 響きあう魂
今世紀最大規模の日本文化・芸術の祭典

「をちこち」の読者の皆様はフランスを代表する作曲家、ドビュッシーの交響詩『海』の初版楽譜の表紙に葛飾北斎の浮世絵に似た絵柄が使われていることをご存知でしょうか。最近公開されたエドゥアルド・デルック監督の映画『ゴーギャン タヒチ、楽園への旅』の中に、ヴァンサン・カッセルが演じるゴーギャンがこの浮世絵のデッサンをみつめているシーンがありますが、当時、パリでは日本の浮世絵が多くの芸術家を魅了し、その作品に多大な影響を与えていました。
「ジャポニスム」は、フランスで生まれ、そして北斎の浮世絵に描かれた大波のように、大きなうねりをもって世界中の文化・芸術家に影響を与えた芸術運動でした。
今日においても、フランスにおける日本美術の代名詞は「浮世絵」で、パリの美術館では頻繁に浮世絵展が開催され、常に賑わっています。 さて、こうしたフランス人の期待を見事に裏切るかのように、今年開催される「ジャポニスム2018:響きあう魂」の展示プログラムの中に「浮世絵展」はありません。何故でしょうか?それは、「ジャポニスム2018」は、あの「ジャポニスム」ではないからです。