JF便り<日本語教育編・17号> 8年目を迎えた「みんなの教材サイト」、こんなに大きくなりました!

日本語事業運営部事業化開発チーム 高野千恵子



国際交流基金(ジャパンファウンデーション)日本語国際センターが開発・運営している「みんなの教材サイト」は、世界各地の日本語教師がそれぞれの学習者に合う教材を作るためのサポートを目的に作られたWebサイトです。コンテンツは、ユーザーが日本語教材を作るために使える「教材用素材」を中心に、世界中の日本語教師の情報交換・ネットワーク作りの場である「みんなの広場」、教材作成のための参考情報である「教師用ナビ」などを提供しています。2002年5月に開設された「みんなの教材サイト」は、このたび8年目を迎え、ますます多くの日本語教師に利用されています。今回は、「みんなの教材サイト」7年の歴史を、データをもとに振り返ります。

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みんなの教材サイト http://minnanokyozai.jp/


1.教材用素材が充実しました
2002年5月、「みんなの教材サイト」を開設したときには、国際交流基金が制作した中等教育向け初級日本語素材集『教科書を作ろう』の教室活動161点、文法説明・例文132点、イラスト289点の計582点を提供していました。その後、毎年、国際交流基金制作の既存教材の電子化や外部団体との協働により教材用素材の種類と数を増やし、現在は5種類・9,114点の教材用素材を提供しています。開設当初と比較して約15.5倍の数です。
近年は、ユーザーからの要望に応えて、「初級語彙イラスト集」や「季節の活動」など、「みんなの教材サイト」オリジナルの教材を開発・提供しています。

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2.ユーザーが増加しています
「みんなの教材サイト」は無料のユーザー登録制のWebサイトです。一年目の2002年度は、約5,200人が利用しました。その後、登録者は毎年増え、2009年3月31日時点の利用者は160カ国・地域の約50,000人で、一年目と比較して約9.5倍になりました。

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3.アクセス数も増加しています
コンテンツの充実とユーザー数の増加に伴って、サイトへのアクセス数も増えました。2002年度の年間アクセス数は約33万件でしたが、2008年度は約429万件になりました。約13倍の伸びです。(*)

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4.ユーザーのコミュニティも充実しています
「みんなの教材サイト」には、ユーザーが自作の教材や授業のアイディアを投稿する機能(みんなの素材・アイディア)や、教材用素材や他のユーザーの投稿にコメントをつける機能があります。ユーザーからこれまでに投稿された素材・アイディアは約200件、コメントは約1,000件にのぼります。「みんなの教材サイト」は、ユーザーの皆さんからの知恵と工夫が詰まった宝箱です。

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みんなの素材・アイディア
世界中のユーザーから、自作の教材などが送られてきています

また、「みんなの教材サイト」の教材用素材を利用して、世界各地で日本語教材が制作されており、事務局に届いた冊子の日本語教材は約40冊にのぼります。

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「みんなの教材サイト」の教材用素材が使用されている教材


2008年10月にはサイトをリニューアルしましたが、それ以来、アクセス数もユーザーからの投稿数も増えています。特に、2009年5月の月間アクセス数は約55万件で過去最高の数字でした。一日当たりにすると約18,000件で、世界中から多くの方々に使っていただいていることがわかります。
また、日本語国際センターで実施されている海外日本語教師研修でも「みんなの教材サイト」を利用した授業が行なわれており、日々、新しい仲間が増えています。

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日本語国際センターでの授業風景

「みんなの教材サイト」はこれからも、世界中の日本語教師の皆さんのお役に立つよう、内容の充実に努めていきます。今年もコンテンツの追加が予定されていますのでご期待ください!

(*)アクセス数は全てページビューです。


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