雑誌『をちこち(遠近)』
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国際交流基金の関連事業

ジャカルタ:ラマダン(断食月)は日本文化で心に潤いを

ジャカルタ日本文化センター


生け花のセンスを生かした空間
構成で、手毬が一層引き立つ展示

皆さんは、ラマダン(断食月)という言葉をご存知ですか?

イスラム教徒が多い国・地域に馴染みのある方ならともかく、普通の日本人はなかなか知る機会がない言葉かも知れませんが、イスラム暦の9月にあたる1ヶ月間、宗教上の義務として、多くのイスラム教徒が日の出から日没までのあいだ飲食を絶つ形で断食を実践します。

インドネシアでは人口の9割にあたる2億人がイスラム教徒で、2010年は8月11日~9月9日が断食期間でした。



インドネシア人の色彩感覚で作られた
鮮やかな手毬

日の出前に起床して食事を取ったあとは、日没まで水も飲まない-ただし、旅行者や重労働者、妊産婦や病人、乳幼児など事情がある人は免除-なんて想像するだけで辛いのですが、断食を理由に仕事や勉強など普段の行いを怠けることは教えに反するとして、このような時期においても社会生活は普段通り営まれていますので、国際交流基金の事業も断食への配慮を行いながら、いつも通りに実施しています。


華やかな糸の色使いと 斬新なデザイン

今年の断食期間中の主なイベントは、手毬展と映画上映会でした。
手毬展は、ジャカルタ在住の日イ手毬愛好家の協力を得て、日本の伝統手芸「手毬」をインドネシアで初めて紹介したもので、期間中に実施したワークショップには予想以上の参加申込があり、実施回数を急遽増やすことができたのも、昼食時間帯も使える断食期間中ならではの「怪我の功名」でした。

また、日本映画の上映会では、精神的な修養として断食を行なっていることを尊重して、美味しそうに飲み食いしているシーン、飲酒や濃厚なラブシーンのない「安全な」映画をインドネシア人スタッフと相談しながら選びました。
『二十四の瞳』『まってました転校生!』など友情や学校生活を描いた作品を中心に7本上映したところ、いつもより多くの若い世代が連日、足を運んでくれました。


テレビ局取材でインタービューを受ける
講師のナピトゥプル・たづこさん
(未生流華道指導者)

客足を考えて、普段は映画上映は夕方から夜に行いますが、断食期間中は午後から開始して日没前に終了するようにしました。日没後にいただく食事は、家族や友人などと一緒にその日の断食を乗り越えたことを喜び称えながら食べることが多くなるためです。

そんな断食月も終了し、9月10日には断食明けの大祭(レバラン)が盛大に祝われました。常夏のインドネシアですが、いよいよ「イベントの秋」に突入です。

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