雑誌『をちこち(遠近)』
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国際交流基金の関連事業

「WA-現代日本のデザインと調和の精神」パリ展

牧瀬 浩一
造形美術課

 

国際交流基金(ジャパンファウンデーション)は2008年10月22日から2009年1月31日まで、パリ日本文化会館で日本の現代デザインを紹介する展覧会、「WA-現代日本のデザインと調和の精神」展(以下、WA展)を開催しました。

 

4人のキュレーター(柏木博・武蔵野美術大学教授、深川雅文・川崎市市民ミュージアム学芸員、萩原修・デザインディレクター、川上典李子・ジャーナリスト)による展覧会のコンセプトは「和」。現代日本のデザインの中に見られる、一見対立するように見える要素-伝統工芸と先端テクノロジー、手工芸と工業、中央のデザイン活動と地方のモノづくり、日本と西洋などーこうしたものを「和」の精神で交流、融合させていくところに、日本のデザインの特色があると考えました。

 
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パリ日本文化会館での展示風景
photo:Clément-Olivier Meylan
 

展覧会では、現代の日本を表象していると思われるもの(デザイン)160点を選び、その使途にあわせ12のカテゴリーに分類(食器/水まわり/家電、等)、さらに日本のデザインへの理解を助けるために、6つのキーワード「かわいい」「クラフト」「きめ」「手ざわり」「ミニマル」「心くばり」を提示しています。

 

50年来のベストセラー、スーパーカブやおなじみのキッコーマンの醤油ビンから、最新鋭の情報機器やスタイリッシュな腕時計のモデルまで展示された会場では、キャプションがわりのハンドアウトを片手に、熱心に展示ケースの中を覗き込む入場者の姿が見られました。

 

来場者に感想を聞くと、「すばらしい展覧会!」「遊び心にあふれた、たくさんの発見のある展覧会」「展覧会を見ると、『禅』な気持ちになる!」など評判は上々。このほか「作品が売り物でないのが残念!」「日本に行かなくても、フランスのどこでこれらの作品を買うことができるのか?」などの声も聞かれました。入場者数は約1万人でした。

 

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  photo:Clément-Olivier Meylan

メディアでの露出度も高く、『日本に夢中になるフランス人』(ウェストフランス紙)、『日本-デザインのうえに昇る太陽』(雑誌「デザインホーム」)、『日本製デザインの源流へ』(ラ・クロワ紙)など、新聞・雑誌あわせて166件の記事が掲載されました。現代の日本のデザインをその歴史や社会的・文化的背景とあわせて体系的に紹介したこの展覧会は、フランス人の観客を強く印象付けたもようです。
2月25日には公開報告会を行ないますので、お時間のある方は是非おいでください。WA展は次に4月からのブダペストの応用美術館で開催されます。その後も欧州を巡回する予定です。


 


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