雑誌『をちこち(遠近)』
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JF便り 日本研究・知的交流編・8号 アジア・ヨーロッパ対話「民主主義の諸相―その前提、発展過程と現代の課題」

日本研究・知的交流部
小松諄悦


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イランのイスラム教シーア派の教義は、そもそも民主的なものであった。男女平等をうたい、人権尊重を指導している。それが時代とともに、保守的、原理主義的な解釈とリベラルな解釈とに大きくわかれるようになってきた。


jf-stu8-2.jpg2006年9月21、22日、ベルリン日独センターで開かれたシンポジウム「民主主義の諸相―その前提、発展過程と現代の課題」で、現代イスラム世界で最も影響力の大きい導師の一人イランのモフゼン・カディヴァール氏は、説得力のある英語で、イスラム教の持つ民主主義的教義とその解釈の変遷を解説しました。

ドイツ、フランス、ポーランドなどのヨーロッパと、日本、韓国、イラン、トルコなどからの研究者、実践者計25名が、それぞれの文明における民主主義の生い立ち、発展過程、現状について、相互理解を図るとともに、将来のあるべき姿について議論しました。

jf-stu8-3.jpg開催地ドイツでは、戦後の憲法制定は、ナチ時代の前の、ワイマール時代の知識人が中心になったこと、これを指導する連合軍、とりわけアメリカ、フランス、イギリスの間で、2つの大戦の痛い経験などから、政策が異なっていたこと、などが報告されました。参加者が強く印象づけられたのは、アメリカ政府が、ドイツ人亡命者の力を最大限活用したという歴史でした。


日本人移民は、1924年の米国における「移民法の一部改正法」で差別を受け、戦時中は収容されていたわけで、ドイツ人との待遇に違いに思いをよせずに入られませんでした。
同時に、数多くの知識人が亡命者せざるをえなかったドイツと、日本との大きな違いに、この戦争の、それぞれの国における位置についても考えさせられたのでした。

*「民主主義の諸相―その前提、発展過程と現代の課題」の概要はこちら


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