雑誌『をちこち(遠近)』
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日本で防災教育を学ぶ交流事業に1,276人が応募!

ケマル・スンダ・プラサスティ(ジャカルタ日本文化センター)



「2013年日本・インドネシア防災教育若者コンペティション」開催報告

 国際交流基金(ジャパンファウンデーション)ジャカルタ日本文化センターは2013年、「日本・インドネシア防災教育若者コンペティション」を開催した。2013年11月29日に参加申込を開始し、12月17日に締め切った。このコンペティションは、同じ自然災害に見舞われやすい日本・インドネシア両国が直面する現実を踏まえて企画されたものだ。また、両国は災害に強い市民を育てる上での災害教育の重要性を共に意識している。具体的には2011年3月11日の東日本大震災を受けて、危機的状況から学べる貴重な知識や価値があり、それらを生かして将来の災害に備えることができるとの認識が生まれたのである。

 若者は、変化を請け負う責任があり、将来にわたって重要な役割を担うことが期待されている。インドネシアでは、さまざまな社会問題に関心を抱き、主体的に参加する若者が増えている。幅広い社会問題の中でも、災害は若者が大きな関心を寄せている問題のひとつだ。

 こうした関心と機運を踏まえ、ジャカルタ日本文化センターは災害復旧プロセス、特に災害教育分野への若者の積極的な参加を推進した。今回のコンペティションを通じ、若者が災害への意識を高め、地域での啓発運動を主導する存在になることが期待される。優勝した6チーム24人は10日間日本を訪れ、被災地訪問、ボランティア活動への参加、日本の生活体験などを行うのである。

 インドネシア全土から319チーム計1,276人がコンペティションに参加した(1チーム4人)。参加者の大半は、近年自然災害に見舞われたアチェ、ジョグジャカルタ、バンドン各市の出身だった。昨年の約2倍にのぼる応募があり、全国的に若者の災害意識が高いことがうかがえる。彼ら自身も既に災害を経験しているが、コンペティション参加を通じてさらなる学習と成長に意欲を見せている。

 2013年12月18~19日に行われた第一次選考(書類選考)を通過したチームが、最終選考に進出した。合格者は最終選考に向け、映像作品を制作しなければならない。  最終選考では26チームが日本に行ける(2014年3月)6チームの座を争った。319チームの中から勝ち残った26チームの精鋭の間で激しい競争が繰り広げられた。意外にも、26チームが作成した作品は、どれも予想を上回る出来栄えだった。各チームに、地域の災害への備えを高めるアイデアを、具体的な計画・行動として紹介する映像を作るという課題が与えられた。参加者がYoutubeにアップロードした動画を、ジャカルタ日本文化センターの公式Facebookページに投稿し、彼らのメッセージを広く発信した。

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子供への災害教育(ガマルサチーム、ジョグジャカルタ)

選考の結果、次の6チームが優秀賞に選ばれた。
ジェムトウ (バンダ・アチェ)
ライフ・フォー・シェア(バンダ・アチェ)
ガマルサ(ジョグジャカルタ)
グローバル・イシュー・オブザーバー (ジョグジャカルタ)
地滑り被害軽減チーム (ジョグジャカルタ)
コルサー2(バンドン)

 6チーム中2チーム(グローバル・イシュー・オブザーバー、ライフ・フォー・シェア)は、配慮が必要な弱者として障害者(特に視覚障害者)を取り上げた。障害者は避難訓練などの活動に参加した経験がないため、防災や災害教育に関する知識がない。彼らには、健常者と異なる災害軽減・災害対策が求められる。

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ロープを使って視覚障害者を安全に避難(ライフ・フォー・シェア)
*防災訓練ビデオで使用した黄色いメガホン(ハンド型防水メガホンTS-521)は、ノボル電機製作所(本社大阪)より寄贈。


 地滑り被害軽減チームは、地滑り多発地域で暮らす上で必要な被害軽減策を取り上げている。

 他の3チーム(ガマルサ、ジェムトウ、コルサー2)は、子供への災害教育を題材にしている。彼らは評価対象となるリスク集団のうち、子供が最も脆弱だと考えた。子供は火山噴火の仕組みや実際の脅威について、十分な知識を持っていないからだ。早い時期から災害教育を行えば、災害への理解や対応力が向上し、思いやりの心が育つだろう。

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沿岸部の子供への災害教育(コルサー2)



優秀した6チームの魅力的な映像作品を、以下で視聴できる。
•ジェムトウ (バンダ・アチェ)


•ライフ・フォー・シェア(バンダ・アチェ)


•ガマルサ(ジョグジャカルタ)


•地滑り被害軽減チーム (ジョグジャカルタ)


•グローバル・イシュー・オブザーバー (ジョグジャカルタ)


•コルサー2(バンドン)


本コンペティションと今後のプログラムを通じ、特に災害復旧プロセスと防災において、両国の若者間の友情の絆を一層強められるよう願っている。





disaster_education04.jpg ケマル・スンダ・プラサスティ(Khemal Sundah Prasasti)
ジャカルタ日本文化センター




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