ピーター・ドライスデール、半世紀にわたる研究を語る

ピーター・ドライスデール(Peter Drysdale)



 オーストラリア国立大学のピーター・ドライスデール名誉教授は、1980年に日豪両国の官民協力の下で同大学内に設立された豪日研究センターの創始者であり、東アジア及び日本経済の政策研究で世界的に著名な存在です。特にアジア太平洋地域における経済協力に力点を置いたその研究は、APEC(アジア太平洋経済協力)の創設にも大きな役割を果たしました。  この度、長年にわたる日豪間の相互理解促進への貢献が高く評価され、2014年度国際交流基金賞を受賞しました。

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平成26(2014)年度国際交流基金賞 授賞式

 今回の受賞にあたり、ドライスデール氏は次のように語っています。
「私は長年にわたり、日本およびアジア太平洋地域において、実に多くの人々と交わり、友情を深めてきました。いまや各界を代表するような立場で活躍している学生時代からの友人、研究や仕事を通じて出会った多くの人々・・・。こうした人々との繋がりと深い友情は、決して尽きることのない創造と激励の源です」
 10月10日に東京で開催された受賞記念講演会では、「アジアにおける経済協力の未来?(The Future of Economic Cooperation in Asia?)」と題し、約1時間半にわたる講演をされました。

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平成26(2014)年度 国際交流基金賞 受賞記念講演会

 ドライスデール氏は今からちょうど50年前、一橋大学への留学で初めて来日し、日豪関係、さらにアジア太平洋における両国の協力について研究を重ねてきました。その間、研究者、知識人、政府・企業関係者、また日本のみならず多くの国の方々と長年にわたって交わり、協力関係を培ってきたことを紹介した後、これまで50年間の研究の歩みを振り返り、特にこの20年大きな変化が見られたアジアの経済成長の広がりと深まりについて包括的に説明しました。そして、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)やRCEP(東アジア地域包括的経済連携)を含め、アジアの地域的な枠組みについて今後の展望を学術的な視点で概観しました。
 講演の最後には、半世紀にわたり研究を通じて地域の発展に関与できたことについて喜びの気持ちを表すとともに、「この先50年も、地域の連携がより深化することを期待しています」と締めくくりました。
 現在も精力的に世界のあちこちを飛び回り研究を続けるドライスデール氏に対し、聴衆からは、今後の研究の益々の発展を祈念し、盛大な拍手が寄せられました。

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平成26(2014)年度 国際交流基金賞 受賞記念講演会

※2014年10月10日 国際交流基金 JFICホール「さくら」での講演会を、編集部がまとめました。

(講演会での写真 撮影:相川 健一)





peterdrysdale06.jpg ピーター・ドライスデール(Peter Drysdale)
オーストラリア国立大学名誉教授。東アジア経済研究所長と東アジアフォーラム編集長を兼務。1938年10月24日生まれ。オーストラリア国立大学にて経済学で博士号を取得。1980年に日豪両国の官民協力の下で同大学内に設立された豪日研究センターの創始者。東アジア及び日本経済の政策研究で世界的に知られており、特にアジア太平洋地域における経済協力に力点を置いたその研究は、APEC(アジア太平洋経済協力)の創設にも大きな役割を果たした。著書『アジア太平洋の多元経済外交』 (英語版Allen & Unwin and Columbia University, 1988; 日本語版 毎日コミュニケーションズ、1991)でアジア調査会及び毎日新聞社主催のアジア・太平洋賞を1989年に受賞。1998年オーストラリア社会科学学術会議(ASSA)フェロー、2001年日本政府より旭日中綬章を受章。



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