JF便り<日本語教育編・22号> 日本語能力試験が変わります! ~2009年度第2回試験の報告&新しい日本語能力試験のお知らせ~

日本語試験センター


1.2009年度第2回日本語能力試験の実施報告
2009年12月6日 日曜日、平成21年(2009年)度第2回日本語能力試験が行なわれました。日本語能力試験は日本語を母語としない人たちの日本語能力を測定し、認定するための試験で、国際交流基金(ジャパンファウンデーション)は、海外各地で現地機関と協力して試験を実施しています(日本国内での実施は(財)日本国際教育支援協会、台湾での実施は(財)交流協会が担当しています)。
1984年の初回以来、今回で27回目の実施となるこの試験は、2008年までは毎年12月に年1回実施してきましたが、国内外からの強い要請に応え、本年度より年2回実施することになりました。第1回試験は、7月に中国、韓国、台湾の3つの国・地域と日本国内で1級及び2級に限定して行い、中国では新たに5つの実施地が加わりました。同じ年度の2回目となる今回の試験では、アイルランド、セルビア、コロンビアの3カ国が新たに加わりました。また、中国では延吉・蘭州、ベトナムではダナンの計3都市が新たな実施地に加わりました。

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試験開始を待つ受験生たち(ロサンゼルス会場にて)

今回の試験は、1級から4級まで、54の国・地域206都市で実施されました。国内外で約61万人の応募があり、最終的に受験者は約52万人に達しました。これまで1年に1回しか受験のチャンスがなかった試験ですが、年2回実施により、年間で約77万人が受験し、ますます多くの方々が利用してくださっている状況を私たちは非常にうれしく思っています。

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これだけ多くの方々が受験する試験を円滑に行なうには、海外各地の共催機関との協力が欠かせません。試験当日の実施だけでなく、事前広報、応募受付、会場手配、試験監督員への説明会実施といった実施準備、そして試験後の処理までの一連の業務で多くの方々のご協力を得て、試験は実施されています。


2.新しい日本語能力試験について
近年、日本語能力試験の受験者層が拡大して受験目的も多様化し、日本語能力試験の結果(成績)は大学入試や資格試験の要件、就職や昇進・昇格にあたっての判断基準など、さまざまに活用されるようになりました。国際交流基金と(財)日本国際教育支援協会は、試験開始から25年以上の間に発展してきた日本語教育学やテスト理論の研究成果と、これまでに蓄積してきた試験結果のデータなどをふまえて日本語能力試験の内容を改定し、2010年から新しい日本語能力試験を実施することとしました。


【改定のポイント】
(詳しくは「日本語能力試験公式ウェブサイト」もご覧ください。問題例なども音声付で閲覧できます)


(1) コミュニケーション能力重視
日本語の文字・語彙、文法などの知識だけではなく、その知識を使ったコミュニケーション能力をより重視した試験になります

(2) 認定レベルが5段階に
レベルがこれまでの4段階(1~4級)から5段階(N1~N5)区分となり、受験者が自分に合ったレベルを選びやすくなります

(3) 得点等化の実施
日本語の能力がより正確に測れるように、得点の出し方が変わります(等化による尺度得点の採用)

(4) 「日本語能力試験『Can-do』リスト」(仮称)の提供
各レベルの合格者が日本語を使ってどんなことができるかがイメージしやすくなります

2010年は、第1回試験を7月4日 日曜日、第2回試験を12月5日 日曜日に予定しています。2010年3月から、第1回試験の申し込みが始まりました。


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