02 陽気な医療大国、キューバへ

スプツニ子!



ハロー! スプツニ子です。
いきなりですが、私の両親は2人とも科学者で、統計学の研究をしています。統計学というと、たくさんの数字が飛び交うマニアックな学問と思われるかもしれませんが、脳科学や経済学などさまざまな分野に応用できる、汎用性の高い学問です。
研究者間の交流も活発で、特に父はキューバの人たちと共同研究を長年行っています。私も子どもの頃に、日本にやってきたキューバのお兄さんたちにかわいがってもらったのを覚えています。
いかにもお堅い雰囲気の研究所のなかで、キューバ人ばかりの父の研究室はとにかく陽気で、サルサを踊ったり、ときには即席のBARになったりしていました。
そんな楽しい経験が、今のスプツニ子にも影響しているのかもしれません。だから、キューバはずっと憧れの国でした。

ということで! じゃーん!

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ホテルから見えるハバナの街並と海

3月から1か月間、両親がキューバのニューロサイエンスセンターに招聘されたのに合わせて、スプツニ子、キューバに初上陸してきました!
さんさんと降り注ぐ太陽。輝く海。バロック様式のレトロな建築群。そして街のいたるところで聞こえるラテンなメロディー。
子どものときにお世話になった研究者のお兄さんたちも、すっかりダンディーなおじさまになって......と思いきや、みんな見た目がぜんぜん変わってない! 10数年前とまったく同じ(笑)。
音楽に、お酒に、タバコに、ビーチに、革命。エネルギッシュな環境がキューバの人たちをずっと若々しくしているのかもしれません。

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(左)ハバナの中央広場 Piazza Viejaにて、(右)再会した研究者、マテアスさん

ご存知のように、キューバは社会主義国家です。
ひたすら陽気な雰囲気に反して、国民の給料は安いし(大学の先生でも月給が25ドル!)、アメリカからは経済封鎖を受けるし、つい5年前まで個人のパソコン所有も禁止されていたぐらいの、タフな国です。
でも、国による医療福祉や教育は充実しています。
医療費も教育費も無料。高度な医療技術を生かして、南米の国々に医師を派遣したり、ウィルスワクチンを開発して安価で販売しています。
私の父がキューバの人たちと一緒に研究していたのは脳科学の分野でしたが、キューバが医療先進国なんてびっくりですよね。

現在のラウル・カストロ政権になってからは、じょじょに規制はゆるくなっているようで、最近では不動産所有も部分的に自由化されるようになってきました。そう、社会主義の目指す理想の社会と、世界経済への参画の間でキューバは揺れているのです。



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