雑誌『をちこち(遠近)』
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緊急特集:被災地とつながる 生の声002

「働きたい」「仕事がほしい」という声が被災者から

国際ボランティアセンター山形(IVY)理事 阿部眞理子

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 3月11日の東日本大震災から1か月半が過ぎました。余震もずいぶん減ってきましたが、不安な気持ちはまだまだ失くなりません。少しずつ復興へ向けて人々は動き始めています。
 現地には国内外からさまざまな救援の物資が届いていますが、その一方で、多くの被災者からは「働きたい」「仕事がほしい」という声があがっています。津波により、漁業・水産関係者をはじめ、多くの方の職が失われ、将来の見通しが立たないという深刻な悩みを抱えています。
 特定非営利活動法人 国際ボランティアセンター山形(IVY)では、震災直後の14日に「東北広域震災NGOセンター」を立ち上げ、今日までいろいろな団体、企業、自治体、個人の皆様と連携を図りながら、日本のみならず、海外から支援金、物資を送っていただき、活動してきました。
  IVYトラックへの積み込み大2.jpg  IVY屋根の上にバス[1]-1.jpg 
 震災で大きな役割を果たしたのは、パソコンや携帯電話を通して届けられるブログやツイッター、ホームページからの情報。これらの情報は、軽々と海を越えて世界中の人々の元へ運ばれていきました。
 IVYには、センター開設直後から、いろいろな国から問い合わせが舞い込みました。「支援活動の調査に行きたいが、どこに行ったらよいか教えてほしい」、「支援活動のノウハウがあるのでそれを伝えたい」、「緊急支援物資として栄養価の高いものを送りたいので仲介をお願いしたい」、「日本のNGOの支援活動について取材したい」......。
 心温まるお申し出ばかりでしたが、あまりにも早い段階での問い合わせの波と、情報が世界中に拡散するスピードの速さに戸惑いも感じていました。「もう少し待ってください。そうすれば皆さんの支援を、今以上に快く被災地の方々が受け取ってくれます」とお答えしたこともたびたびありました。
 支援の申し出がある一方、14日ごろから福島原発の影響で、仙台→山形→鶴岡→新潟→東京というルートで、東北(日本)を後にする外国人が急増しました。みぞれが降る中、バスターミナルをぐるっと囲む、いくつもの荷物を持った人々の列は、忘れられない光景の一つです。今まで、日本人が国外避難勧告を受け、その国を脱出する映像を何気なく眺めていましたが、今回東北を去る人々を目の当たりにして、言葉にしがたい寂寥感を味わいました。
そんな日々の中で、海外にいる日本人の方たちが募金活動を展開してくれました。今まで日本が支援してきたアジアの国の方々からも支援金をいただき、アジアの国々との強いつながりを感じました。
 IVYでは、現地に物資を送り届ける活動を継続しつつ、IVYキャッシュ・フォー・ワーク.jpg職をなくした方々に少しでも働く機会をつくる目的で、宮城県の石巻市と気仙沼市でがれきや泥の撤去作業に賃金を支払う、「キャッシュ・フォー・ワーク」プロジェクトを新たに立ち上げました。コーディネーターも、実際に働く方も、みんな地元の方々です。被災地は、まだまだ不安定な状況ですが、復興に向けて少しずつ歩み出そうとしています。これからも皆様からの長期的な支援が不可欠です。被災地の方々への関心を持ち続けていただけたらと、願わずにはいられません。

 IVY震災写真5118by yoshioka.jpgのサムネール画像


<東北広域震災NGOセンター 支援金の送り先>
郵便振替 加入者名:IVY  郵便振替:02290-2-85967
*「地震」 と必ず書いてください。


IVY阿部さんプロフィール用.jpg国際ボランティアセンター山形IVY(アイビー)http://www.ivyivy.org
山形発で「カンボジア支援」「在住外国人支援」「国際理解・環境教育」「国際イベント・セミナー」など地球の問題、地域の問題に取り組もうと1991年に設立された市民による国際協力NGO。今回の震災に於いて「東北広域震災NGOセンター」を立ち上げ、支援活動を行っている。外務省NGO相談員。1996年度国際交流基金地球市民賞受賞。

国際交流基金地球市民賞

国際協力NGO協力センター


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