2016年12月のバックナンバー

2016.12.22

11.土地と声をめぐって
――台湾系ニホン語人はいつまでも揺れている――

満月から2日ほど過ぎた夜でした。空に浮かぶ月が、いつもよりも間近に迫って見えて、どきっとしました。車から降りると、空気は刺すように冷たく、地面には凍った雪が残っています。青森は寒い寒いと覚悟していたから、ちゃんと空に見惚れる余裕はありました。お月さまだけではない。星も、間近に迫ってきます。一粒一粒が煌々と輝いているのを感じます。ふだん自分の見ている空はずいぶん遠くにあるんだなあと思わずにいられません。さあこちらに、とうながされて向かったのが「八戸ブックセンター」。八戸市が"公共事業"としてスタートさせたばかりの「町の本屋さん」です。