2016年8月のバックナンバー

2016.8.30

日中交流センター設立10周年

国際交流基金日中交流センター(以下「日中センター」)は、日本と中国の将来を担う若者たちが心と心を結び合う"心連心"をキーワードに、日中間の青少年交流を推進していくことを目指し、2006年に誕生した。筆者は民間出身かつ初代事務局長として、設立当初から携わった。日中センターは、2005年度補正予算で認められた政府出資金と既存の国際交流基金の資金をあわせたファンドの運用益を運営原資とし、事務局とスタッフを擁するヒト・モノ・カネが揃った布陣でスタートした。

2016.8.10

考えを「分かち合う」ための一歩として―「日韓若手文化人対話事業」を担当して

筆者がソウル日本文化センターで勤務したのは2012年4月から約4年間。この間、両国間では様々な問題が顕在化し、関係は決して良いものとはいえなかった。一方で、文化・芸術分野においては、両国の交流はこの間も着実に進んでいるという印象を持った。
例えば2013年~14年には、草間彌生展、村上隆展、スタジオジブリ展といった展覧会が韓国側の主催で開催され、ファンが会場に詰めかけた。演劇界では、日本の作品が上演されたり日本の演出家が韓国で演出を担当したりすることはすでに珍しくなく、日韓の劇場が共同で新たな作品を制作することも多い。ソン・ギウン脚本、多田淳之介演出の『가모메(かもめ)/カルメギ』が両国で上演され大きな反響を呼んだのも記憶に新しい。また日本においても、熱狂的なブームは一段落したものの、K−POPや韓国映画、韓国ミュージカルといった分野ではすでに確固たるファン層が存在する。