2014年1月のバックナンバー

2014.1. 1

命のない木の人形に日本人の魂を吹き込む 「杉本文楽」という新しい伝統

2012年に初演された「杉本文楽曾根崎心中」(KAAT神奈川芸術劇場)で、初めて人形浄瑠璃の懐の深さに引き込まれた人は少なくないはずだ。2013年、現代美術家・束芋の起用による映像など、さらに磨きのかかった同作品がヨーロッパの3都市(マドリード、ローマ、パリ)で再演された。日本の伝統文化や独特の死生観に馴染みのないヨーロッパの人々は、能や歌舞伎とはまた違った文楽の世界をどう受けとめたのだろうか